自動車のタイヤ交換、ガソリンスタンドやオートバックスならラクだけど、お金はかかるし待ち時間も長いんだよね…
このように思っている方は、多いのではないでしょうか。
そこで、自分でタイヤ交換をしてみませんか?
この記事では、車載工具とトルクレンチを使って、自動車のタイヤ交換する方法を解説します。
僕も毎回、自分で交換しており、難しいことはありません。
コツさえ知ればカンタンで安全ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
- 【車載工具での車のタイヤ交換のやり方1】準備
- 【車載工具での車のタイヤ交換のやり方2】交換の手順
- [車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順1]交換するタイヤのホイールナットをゆるめる
- [車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順2]ジャッキポイントの真下にジャッキを置き、ジャッキアップする
- [車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順3]ホイールナットを外し、タイヤも外す
- [車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順4]タイヤをローテーションさせる
- [車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順5]タイヤを装着し、ホイールナットを仮締めする
- [車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順6]ジャッキを完全に下げる
- [車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順7]ホイールナットを増し締めし、最後にトルクレンチで締める
- [車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順8]手順1~7をくり返して、すべてのタイヤを交換する
- [車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順9]外したタイヤを保管する
- 【車載工具での車のタイヤ交換のやり方2】トルクレンチだけは購入しましょう
- 【車載工具での車のタイヤ交換のやり方3】車の取扱説明書を探す方法
- まとめ:車載工具でも適切な方法を知れば、安全なタイヤ交換が可能です
- ★★★★ 参考文献・データ ★★★★
【車載工具での車のタイヤ交換のやり方1】準備
ここから、車載工具での車のタイヤ交換のやり方をご紹介していきます。
まずはタイヤ交換前の準備です。
[タイヤ交換の準備①]地面が固く平らな場所に車を停める
ぬかるんだ場所では、ジャッキが倒れて事故につながることも。しっかり確認しましょう。
[タイヤ交換の準備②]ギアを、AT車なら「P」に入れ、パーキングブレーキをかける
タイヤ交換中に車が動くと大変キケンです。
[タイヤ交換の準備③]車内から車載道具を取り出す
使う車載道具はこの3点です。
車載工具が車のどこにあるかわからない方は、車の取扱説明書をご覧ください。
手元になければ、ネットでも確認できます。
たとえば、Honda N-BOXならこのように記載。
【車載工具での車のタイヤ交換のやり方2】交換の手順
次に、車載工具でのタイヤ交換の手順をご紹介します。
各手順ではポイントも記載していますので、よく確認していきましょう。
使用するのは、前項で準備した車載工具3点と、
できればトルクレンチです。
もしお持ちでなければ、オススメはこちら。
◆「なぜトルクレンチが必要なの?」という方は、コチラの記事をぜひご覧ください。
[車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順1]交換するタイヤのホイールナットをゆるめる
タイヤ交換 手順1−①:スチールホイール(鉄チン)でホイールカバーをつけている場合は、カバーを外す
「ジャッキハンドルバー」の先や、マイナスドライバーを切り欠き溝に差し込むと、外れやすくなります。
カバーにつかめる箇所があれば、つかんでそのまま外してもOKです。
タイヤ交換 手順1−②:交換するタイヤのホイールナットを、反時計回りに約1回転ゆるめる
レンチを水平にしてナットに装着し、体重をかければ、力を入れなくともゆるみます。
この手順のポイント
□ ジャッキアップの前にナットをゆるめるのは、かなり強い力が必要なため。ジャッキアップした状態でゆるめようとすると、車体がグラつき大変危険です。
□ タイヤ4本のナットをゆるめるわけではありません。あくまでも交換するタイヤ1本だけのナットを、すべてゆるめます。
[車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順2]ジャッキポイントの真下にジャッキを置き、ジャッキアップする
タイヤ交換 手順2−①:ジャッキポイントの真下にジャッキを置く
「ジャッキポイント」とは、車の底部にあり、ジャッキの「サドル」をあてる部分のことです。ジャッキポイントが確認できたら、その真下にジャッキを置きます。
自分の車の「ジャッキポイント」がわからないときは、車の「取り扱い説明書」で確認しましょう。たとえば、Honda N-BOXのジャッキポイントはこのように記載されています。
タイヤ交換 手順2−②:手動で「ハンドル装着部」を回し、「サドル」をジャッキポイントに当てる
ジャッキの「サドル」部が、ジャッキポイントには当たったことを確認します。
タイヤ交換 手順2-③:タイヤが地面から少し離れる高さまでジャッキアップする
「ジャッキハンドルバー」と「ジャッキハンドル」を組み合わせ、回転させてジャッキアップします。高さは、タイヤが地面から少し離れる位置まで。
この手順のポイント
□ ジャッキの下に石などがあったら、必ず取り除き、平らにして下さい。
□ メーカーや車種によって、ジャッキポイントやジャッキの形状は変わります。形状がちがうジャッキでジャッキアップすると、ジャッキポイントが折れ曲がるなど変形することも。原則、その車に備え付けのジャッキを使ってください。
□ ジャッキの使い方は、こちらの動画が参考になります。
[車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順3]ホイールナットを外し、タイヤも外す
タイヤ交換 手順3-①:ホイールナットをすべて外す
ナットを地面に放置すると、なくしたり、小石や土がついて取り付け時に苦労することに。
小箱を準備して入れておくことをオススメします。
タイヤ交換 手順3-②:タイヤを外す
ホイールの接触面がサビでくっついてしまい、なかなか外れないことも。タイヤのサイドを軽く蹴って、外しましょう。
タイヤ交換 手順3-③:外したタイヤを車体の下に置く
万が一、ジャッキがずれて車体が落下し、事故になることを防ぎます。
この手順のポイント
□ タイヤを外した際には、次回のタイヤ交換で手順4のローテーションができるよう、「右前」・「右後」・「左前」・「左後」と書いたテープなどを貼っておきましょう。
□ 外したタイヤは、ホイールの表面を上にして置いてください。逆に置くと、ホイールが傷つくことがあります。
[車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順4]タイヤをローテーションさせる
タイヤ交換 手順4-①:タイヤの種類に合わせて、ローテーションさせる
「タイヤのローテーション」とは、タイヤの装着位置を前回と変えること。タイヤの種類によって、ローテーション位置は変わります。
タイヤのローテーション a.方向性のあるタイヤの場合
タイヤの側面に「⇒」(矢印)の回転方向マークがあるものが、「方向性があるタイヤ」です。こちらは必ず回転方向を合わせてタイヤをセットします。
ローテーションは下図のように、前後のみで行います。左右を変えると、回転方向も変わってしまいますので注意してください。
タイヤのローテーション b.方向性がないタイヤの場合
側面に回転方向マークがないものは、「方向性がないタイヤ」です。ローテーションは下図のように行います。
この手順のポイント
□ ローテーションを行う理由:
FF車では、重いエンジンと駆動系があるフロントタイヤには、車重の7割近くがかかることに。さらにハンドル操作でねじられます。そのためフロントタイヤは、リアタイヤよりも偏摩耗が起こりやすくなるんです。
そこで前後のタイヤを入れ替え、摩耗を均等にします。ローテーションを行わないと、タイヤの寿命が半分以下になることあるので、注意してください。
□ ローテーションするためには、前回どの位置に装着していたかわかる必要があります。タイヤを外したときに、「右前」など書いたテープを貼ってきましょう。
[車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順5]タイヤを装着し、ホイールナットを仮締めする
タイヤ交換 手順5-①:ホイールの接触面の汚れを、乾いた布でふき取る
ハブの取付面と、ホイール裏面の両方を拭いてください。接触面が汚れたまま取り付けると、走行中にナットがゆるみ、タイヤが外れるおそれがあります。
タイヤ交換 手順5-②:タイヤを装着する
ホイール裏面とハブの取付面がしっかり接触するよう、ホイールを奥まで押し込んで装着します。
タイヤ交換 手順5-③:ホイールナットを取り付け、手で時計回りに数回締め付ける
タイヤ交換 手順5-④:レンチでナットを締め付ける(仮締め)
下図の順序でナットを締め付けていきます。1回ですべて最後まで締めようとせず、順番に1~5本目(4本目)まで締めたらた、また1から締めていきます。これを2~3回繰り返して締めます。
ただし、これは仮締め。ジャッキアップした状態で力をかけすぎると、車両が動いてキケンです。ホイールがガタつかないならOKです。
この手順のポイント
□ ナットの締め付け順序は必ず守ること!時計回りなどで締めると、最後の1本がしっかり締まっていないことがあります。
[車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順6]ジャッキを完全に下げる
タイヤ交換 手順6-①:車体の下に置いていたタイヤをどかす
タイヤ交換 手順6-②:ジャッキを完全に下げて、どかせる
ジャッキを完全に下げたら、ジャッキをどかせます。
[車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順7]ホイールナットを増し締めし、最後にトルクレンチで締める
タイヤ交換 手順7-①:再びレンチでナットを締め付ける(増し締め)
手順5-④と同じように、下図の順序でナットを締め付けていきます。1回ですべて最後まで締めようとせず、順番に1~5本目(4本目)まで締めたらた、また1から締めていきます。これを2~3回繰り返して締めます。
タイヤ交換 手順7-②:締め付けトルクを設定したトルクレンチで締める
仕上げに、トルクレンチで締めつけます。一度「カチッ」と音がなった時点で締めつけを止めます。さらにもう一度「カチッ」となるのは、オーバートルク(締めすぎ)です。
ナットの締め付けトルクは、取扱説明書で確認してください。たとえば、Honda N-BOXなら「108N・m(11kgf・m)」と記載されています。
◆トルクレンチのくわしい使い方は、こちらの記事でご紹介しています。
タイヤ交換 手順7-③:ホイールカバーを取りつける
スチールホイールの場合は、ホイールカバーを取りつけます。タイヤの空気入れと、カバーの空気入れ部が合うようにはめてください。
この手順のポイント
□ トルクレンチだけは購入しましょう。3,000円ほどで、しっかりしたものが購入できます。なぜ必要なのかは、こちらで解説しました。
[車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順8]手順1~7をくり返して、すべてのタイヤを交換する
あまり力を入れてレンチを回そうとすると、腰に来ます。できるだけ体重をかけて、力を入れずに作業してみてください。
[車載工具でのタイヤ交換のやり方:手順9]外したタイヤを保管する
タイヤ交換 手順9-①:外したタイヤを洗う
洗い終わったら、「右前」など装着場所を書いたテープを再度貼ります。
タイヤ交換 手順9-②:完全に乾いたら屋内で、横に重ねて保管する
タイヤの下にダンボールやスノコを置くと、タイヤの色移りを防ぐことが可能。
空気圧を半分ほどに抜いておくと、タイヤへの負担が軽くなります。
この手順のポイント
□ 車から外したタイヤは、できれば屋内で保管します。屋外で日光や雨にあてると、タイヤの劣化を早めるためです。
□ ホイールがついたタイヤを保管するときは、横に重ねて置きます。タテに並べて保管すると、接地面が変形する可能性があるため避けましょう。
【車載工具での車のタイヤ交換のやり方2】トルクレンチだけは購入しましょう
今回は車載工具でのタイヤ交換の手順を解説していますが、トルクレンチだけは購入することをおすすめします。
それは、ホイールを固定するナットの締めつけに、適正なトルクがあるため。
締めつけが弱いと、最悪の場合がナットが外れタイヤ脱落事故につながることに。
また締めつけが強すぎると、ハブのボルトに負担がかかり続けます。
その結果ボルトが折れ、タイヤ脱落事故につながる可能性も。
このように、ナットを適正トルクで締めることは、事故防止につながります。
3,000円ほどでしっかりした製品が買えますので、ぜひトルクレンチを購入しましょう。
ちなみに、僕も使っている、おすすめのトルクレンチはこちらです。
◆トルクレンチが必要な理由は、こちらの記事でさらにくわしく解説しています。
【車載工具での車のタイヤ交換のやり方3】車の取扱説明書を探す方法
最近の車種であれば、取扱説明書はネットで見ることができます。こちらから探してみてください。
- トヨタ:取扱説明書検索
- 日産:取扱説明書 / 簡単早わかりガイド
- ホンダ:取扱説明書閲覧サービス
- 三菱:取扱説明書一覧
- スズキ:オンラインオーナーズマニュアル
- スバル:取扱説明書ダウンロード
- ダイハツ:車両取扱説明書
まとめ:車載工具でも適切な方法を知れば、安全なタイヤ交換が可能です
今回は、車載工具+トルクレンチでタイヤ交換する方法を解説しました。
車載工具でも適切な方法を知れば、安全なタイヤ交換が可能です。
そして自分でやれば、お金も待ち時間も浮きます。
ぜひこの記事を参考に、タイヤ交換を行ってみてください。
◆「”車のサブスク”と”カーリース”の違い」を知りたいときは、記事「「車のサブスク」と「カーリース」の違いて何?」をご覧ください。
★★★★ 参考文献・データ ★★★★
この記事では、こちらの文献やサイトを参考にさせて頂いています。
- 書籍『クルマのメンテナンス』ナツメ社 青山 元男 著
- 書籍『きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識』日刊工業 飯島 洋治 著
- データ『HONDA N-BOX オーナーズマニュアル』
- データ『日産エクストレイル 取扱説明書』
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